2018年07月12日

コンコルソ・デレガンツァ京都 2018 その拾

 今回の審査委員長はランボルギーニ博物館学芸員アントニオ・ギーニ氏、彼が主催者である木村英智氏について、日本のとても素晴らしいアーティストだ、彼はビジネスマンであり 情熱を持っている人でもあり、まさにイタリアのルネッサンス時の芸術家を支えた貴族のような人だ、と仰ったそうです。

 そして、そういった彼が行うイベントに我々は何を持っていくことが出来るのかを考えた結果、奥様のアイディアで我々が誇るイタリアの建築家、ジオ・ポンティがデザインしたプレートをプレゼントすることにした。過去の歴史を現代に受け継がれた素晴らしい作品で、日本が誇る京都の素晴らしい伝統を表すコンクールに敬意を表したものでもある、といってサプライズでプレゼントされたそうです。

 木村英智氏はそれに対し、好きなものに囲まれて幸せではあるが、いろいろな人を巻き込んだり、お金がかかったりすることで辛いことがあったが、このサプライズとコメントで報われた気がした、と感動し目には涙さえ見せられた。

 そして素晴らしいのは、FCAヘリテージから1900C52クーペと、そのC52をオマージュしたディスコヴォランテ2012、それに最新型のジュリア・クアドリフォリオの新旧の名車を展示されたことです。
 ジュリア・クアドリフォリオの名称はC52のフェンダーにも付いている四つ葉のクローバーのエンブレムから来ています。
 1920年代、レーシングドライバーのウーゴ・シボッチが幸運の印として車両に描いて優勝したのが始まりで以降、アルファロメオの高性能車にはクアドリフォリオマークが付いています。

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 FCA(フィアット・クライスラー・オールズモビルズ)はフィアット・アバルト・ランチャ・アルファロメオ・クライスラー・ジープの他、マセラティ・フェラーリ・イヴェコなどのブランドを持つイタリア最大の企業です、そのヘリテージ部門もそれぞれのブランドの傑作車と博物館を持つ部署で、ディスコ・ヴォランテ(空飛ぶ円盤)と呼ばれる1900C52クーぺはミラノのアルファロメオ歴史博物館に保管されている、現存するただ1台の貴重なクルマです。

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 このクルマは先述の1900CSSと同じシャシにトゥーリング社のジョアッキーノ・コロンボが手がけたボディを架装したクルマで、ディスコ・ヴォランテの由来となったデザインは空力研究の成果と航空機からのアイデアを取り入れたデザインでホイールの上に突き出た翼のようなデザインが空飛ぶ円盤の名の通り宇宙船を思い浮かべさせます、排気量1997ccのDOHC6気筒エンジンは軽合金のクランクケース、シリンダーヘッド、ダブルカムシャフト、シングルインジェクターが採用され158馬力僅か735kgの車体を220km/hで走らせました。

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 そして1900C52はクーペが1台、スパイダーが1台、ボディをを全体にスリムにしたスパイダーが1台、さらにスパイダーに6C3000の機構を搭載したモデルが2台の、合計5台のみが製造されました。

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 最初に造られたのは文字通りUFOを思わせるスパイダーでしたが、これはテスト走行中、高速では車体がリフトしてしまうという欠陥がありました、空力上の問題です。

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 そこでトゥーリングはこの問題を解決するため急遽クーペボディを製作しました、それが今回コンソルソ・デレガンツァ京都で展示された1900C52クーぺです、イギリスのジャガーEタイプクーペにも似ていますが、やはりスパイダーがオリジナルデザインですのでよく見るとどこか違和感を感じますがそれはそれでスポーツカーらしい美しさがあります、一時期のスーパーカーと呼ばれた宇宙的なデザインのスポーツカーと相通ずるところがあるように感じます。

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 しかし残念ながらレース用に設計されたC52でしたが、結局レースに出場することはなかったと言うことです。

posted by 健太朗 at 19:53| 京都 ☁| Comment(0) | 外車の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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