2018年06月01日

コンソルソ・デレガンツァ京都2018 その四

   二条城の二の丸御殿中庭に入ってすぐ目につくのは、一種異様な形をした銀色のクラシックカーでした、よく見れば魚の形をしています、なんの魚やろ、と興味がわきます。

 Craftsman award(匠の技のエピソードが最も優れているクルマ)を受賞した。

 1926年フィアット509デルフィーノです。

フィアット509-01.jpg
透明な塗装で魚のぬるぬる感を再現している

 イタリアのトリノで9人の技術者や実業家などが発起人となって操業したのがフィアット自動車製造所です。

 当時ヨーロッパのモータースポーツはフランス車が勢いを誇っていました、彼らはこれに勝つ事を目標に、レースでの勝利を重ねた実績をもって1906年、ジョバンニ・アニエッリを取締役として会社を設立しました。

 フィアット509は1925年から29年まで製造された小型車で、エンジンは水冷4気筒990cc22馬力、3速MT、ボディはセダン、ロードスター、ツアラーそれにタクシー用もあったそうです、また顧客の要望に応じてカスタムが造られたというような記述もあります。


 しかしデルフィーノはフィアットの歴史の文献を開いてもほとんど記述がありません。

 それもそのはずで、前回も書いたとおり自動車の黎明期には上流階級がコーチビルダーに造らせるスペシャルティーカーが多く、それらをお披露目する場がコンコルソ・デレガンツァであったのです。


 でもインターネットは便利なもので、検索して探せばイタリアのサイトが在りました、使いやすい翻訳アプリがないので余り良く分かりませんが、デルフィーノとはイタリア語でイルカのことだそうです、英語ではドルフィンですからそれに気がつけば良かったのですね。

 又別のサイトでは名前はイルカですが魚をかたどったデザインという記述がありました。

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フィアット 509 A デルフィーノ

 デルフィーノはちょっと特別なクルマのようです、もちろんたった1台しか作られなかったのですが、魚の鱗を表現するためにアルミニュームが採用され、塗装は透明な材料を使って魚のぬめり感を出しています、ですがアルミはパーツの接続やひび割れに苦労したそうです、20世紀初めの材質と技術ですからこれだけでもう芸術品ですよね。

フィアット509-03.jpg

 戦争中には軍に供出されたそうですが、供出されるまでには少し時間があったようで1929年のコンソルソ・デレガンツァ ヴィラ・デステに出品されていたそうです。

 軍からは大砲を作る材料にならないということでアルミの部分だけつまり芸術的な魚の形をした車体だけ返されたそうです、そしてそれは1970年頃まで行方不明だったそうで、この辺りが良く分からないのですが、なんでも若い配管工の手によってハンマーという一種のプレス機のような機械を使って修復されたということで、その車体を元と同じフィアット509のシャシに架装することでようやく日の目を見ることとなったそうです。

Fiat_509_Spider_1925.jpg
フィアット509フェートン




posted by 健太朗 at 14:00| 京都 | Comment(0) | 外車の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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