2018年03月07日

横転しないB360

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   昭和30年代の終わり頃から40年代前半にかけていわゆる60年代は私にとって自動車屋を志してそのスタートを切った、そんな青春時代でした。

政府の所得倍増政策による高度成長時代、マイカー時代と言われててはいましたが、庶民にとってはまだ始まりの始まり、黎明期とも言える時でした。

つまり、自動車はずいぶん身近になってきたものの乗用車はまだまだ高嶺の花、しかし大きな会社だけではなく個人商店にも配達用の軽トラックや乗用車換わりにもなる軽ライトバンなどが少しずつ増えてきた、などと思える頃でした。

私が自動車整備専門学校を卒業して初めて就職した九条通りの自動車屋では、主にマツダやダイハツのクルマを扱っていたのですが、それまで主流だった三輪トラックから時代の花形として四輪トラックに移ろうとしていました、特に軽自動車の場合はミゼットからハイゼットへ、K3からB4への代替で忙しくなり始めたところだったようです。

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3とは、K360三輪トラック、B4B360のことでK34輪になったのでこんな呼び方をしたのでしょう、誰が呼んだか今日はそのB4の話です。

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初期型B360

B4は昭和36年、K3の後を追って登場した、フロントエンジン・リアドライブのオーソドックスな軽4輪トラックです。

K3は運転席の後ろにエンジンを置くいわばミッドシップレイアウトのカッコいい三輪車で、しかもそれは重心が低く、三輪車のマイナス面であります横転や転覆防止に大いに役立って好評でした、ですが四輪に比べるとその危険性はやっぱり高く、事実私もUターン時に横転した経験があります。

またブレーキも後ろ2輪だけですから巷を走行るクルマが増えるに従って危険な乗り物とされる懸念は払拭できません。

ですからB4の登場は時代の要求だったのでしょう、横転しないB4は発売時には月産500台だったのが3ヶ月後には月産2,000台と大幅な増産となったのです。

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写真はK360用

エンジンはK3と同じ356cc4サイクル空冷Vツイン頭上弁式ですが、K376度バンク11馬力に対してB4R360クーペと同じ90度バンク13馬力、ですから基本同じエンジンのようですがまったく別物のエンジンでした、別物と言ってもクランクシャフトやカムシャフト、それにクランクケースなどが換わっただけでしょう、90V型は理論上振動が0になるそうですから乗用車用のエンジンとしてはこの方が良かったのでしょう。

私の記憶では余り差はなかったように思います、でもB4もクーペも力強く静かだった印象が残っています。

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走りはもちろんK3のような3輪とは揺れ方も違うし安定感があります、そして車体が重く張った分エンジンはパワーアップしていますし、ブレーキも前リーディングトレーリング・後ツーリーディングの扱いやすい安定したシステムになりましたが、私はK3の方が軽快な印象だったと思います。

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そこで後期型ではキャロルの水冷4気筒20馬力エンジンを搭載しています、ですがこれもキャロルより50kgも重い575kgというシャシですから軽快なわけがありませんね。

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この時代にこのように軽三輪から四輪車に換わっていったのは、マツダだけではなくB4と同じように成功したダイハツ・ハイゼットやホープスター・ユニカーやコニー360などがあり、ミツビシもレオからミツビシ360に換わりました。

ハイゼットやミツビシなどは2サイクルエンジンを搭載していましたので軽快な走りで好評でしたが、B4は走りの重っ苦しさ故に後期型の販売は苦しかったようです。

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昭和43年B360はモデルチェンジしてポーターとなります、そして48年にはやっとシャンテの2サイクルエンジンを搭載し少し軽快感を演出しますが51年、ついに販売を終了しました。

ちょっとさかのぼって昭和40年代に入ると、ハイゼットがハイゼットキャブになったようにキャブオーバータイプに換わって行きます、富士と黒金は最初からそれぞれスバル・サンバーやくろがねベビーを出していました。

マツダも時代にのって2サイクルのポーターキャブを発売します、これはB4やポーターとは全く別の設計で、軽く軽快な今風の軽トラックでしたが、実はこのポーターキャブがマツダが製造する最後の軽自動車となったのです、ただし昭和44から平成元年まで実に20年に渡って生産が続けられ、日本国内の軽トラックにおける最長生産記録となったのです。



posted by 健太朗 at 22:04| 京都 ☁| Comment(0) | マツダの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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