2016年10月13日

機械遺産 その8

 7月25日、一般社団法人・日本機械学会からスバル360が機械遺産に認定されたと言うニュースが入ってきました。

 そこで歴代の機械遺産、中でも自動車関連についてちょっと調べてみようと思います。

 今回は平成19年認定のホンダ・カブ号F型の自転車用補助エンジンです。

  戦後の混乱がようやく落ち着いて、手塚治虫の鉄腕アトムが少年という月刊誌に連載され始めた昭和27年、人々の足はまだ自動車ではなく高価な自転車を大事に使っていました、そんな頃、自転車にエンジンが付いて遠くまで楽に走行れて荷物を載せても楽ちんで運べる乗り物が発売されました、「自転車バイク」「ばたばた」などとあだ名されました。

 

 昭和20年代の初め、本田宗一郎親父さんは、奥様が自転車で遠くまで買い出しに行かれるのを見て、自転車にエンジンを付けることを思いついたのです。

 戦後の復興には何を置いても交通機関が必要だ、と思ったそうです。

          S21                                 

  そこで三国商工というキャブレターメーカーが作っていた、旧陸軍の無線機用発電機に使われていた、2サイクル単気筒、排気量49.9cc1馬力のエンジンの放出品を自転車に取り付けた訳です。

 

 自転車用補助エンジンとして売り出したのですが、使い勝手の良さからこれが大いに当たって予定の500台が瞬く間に売れてしまったのです。

 

Pho_02_2S21

 

  それでこれに代わるものとして本田の親父さんは、一からエンジンを作ってしまうのですから凄いのですが、このA型がまたエントツエンジンと呼ばれた本田宗一郎一流のユニークなアイディアで、シリンダーの中央から掃気をするという、ちょっとこれだけ聞いても理解でない構造のエンジンですので、結局幻に終わってしまいます。

 

 その後B型、C型と続くのですが、昭和27年5月、カブという愛称が付くF型が誕生します。

 

CubfF

 

  ホンダカブ号F型は自転車の後輪アクスルシャフト下部に配置され、低い位置からチェーンで真上の後輪を駆動し、軽量で高い生産性があるアルミダイキャストやプレス部品を使って、重量6kgを達成しました。

 白いタンクと赤いエンジンで一世を風靡した背景に流通網の変革がありました。

 

 セールスマンが飛び込みするというそれまでの営業方法ではなく、全国に50,000軒ほどある自転車屋に取扱を勧めるダイレクトメールを送って「定価25,000円、卸価格19,000円。代金は前金で願いたい」と取り扱いを勧めたのです。

 知名度の低い新進の会社が通販のような売り方をするのですから、詐欺とも誤解されかねなかった時代ですが、5000軒の自転車屋の取り扱い希望があり、12月には月産台数7000台を突破したそうです。

 そして後には世界最多の生産台数と世界最長寿を誇る、あの、スーパーカブへと発展するのです。

 機械学会では、ホンダカブFは大量生産の工業製品としての二輪車の市場を大きく拡大するきっかけとなり、以降の小型二輪車の原点となった歴史的な機械といえる。としています。

posted by 健太朗 at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | くるまの雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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