ダイハツは日本で最も古い自動車メーカーで、明治40年、発動機製造株式会社に始まるのです。
後に、大阪の発動機会社、ということでダイハツに変わったそうですが、昭和42年にトヨタと業務提携して以降、徐々にその関係を深めて、今ではトヨタグループの一員となっています。
昭和44年第一弾として、提携という名のコンソルテを発売しますがこのクルマのことは私も数年乗っていましたので別のページで紹介しています。
そして昭和48年のコンソルテ・クーペ(スターレットのOEM)に続いて、昭和49年、シャルマンが発売されます。
今日はこのクルマのお話です。
さてトヨタでは昭和45年、その前年の東名高速全面開通を受けてカローラをモデルチェンジ、定評のトータルバランスで80点主義を確立して、初代からの累計300万台を記録しました、シャルマンはこの二代目カローラセダンKE20の生産設備を買い取って作られた車で、エンジンと車台はカローラのものにダイハツデザインのボディを載せたクルマです。
しかしこれにはいろいろ制約があって、例えば前席ドアはKE20そのもですし、ざっくりいえば部品の多くはトヨタのものつまりトヨタの下請けから仕入れた部品を使っています。
まあ、ハッキリ言えばこれはどこから見てもトヨタのクルマなのです、でも、カローラにない豪華なデザインと室内のしつらえは魅力的で、のちにカローラは「ひとクラス上の豪華さ」でヒットしたモデルもありましたが、まさにシャルマンはひとクラス上のクルマだったのです。
このころいわれた言葉に「モデルチェンジのためのモデルチェンジ」というのがありましたが、これはクルマがモデルチェンジをしてもエンジンやシャシなど主要な部分は大して変わらないのに見かけだけモデルチェンジして拡販を図ろうとするメーカーの姿勢を揶揄したものですが、シャルマンに関してはトヨタ製品の安心感を背景にして思いのほかよく売れたそうです、その証左として二代目シャルマンもTE70カローラをベースに作られました。
乗り味はまさにカローラそのもので静粛設計であること以外は可もなく不可もないという80点主義ですが、豪華仕様の車室内はカローラにないものを持っていると感じました。
この時代はクルマの平均寿命がぐんと伸びた頃ですが、永く乗っていても大メーカーのクルマですから安心感があってよいと思いましたが、当時のダイハツ小型車のイメージは今とは少し違っていたようで、私など、ダイハツのセールスマン氏が乗っているクルマ以外にはお目にかかるコトはなかった、の印象があります・・・。