2012年09月03日

遙かなる走路 ・ トヨダAA型セダン

 

 eoさんからのオススメで映画の話を書いてみる。
 映画の話といっても私テキには古~いクルマが出てくる古~い映画の話だ。


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 「遙かなる走路」トヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎氏が、まったくなにも無いところからトヨタ第一号のクルマを作り出すまでの物語だ。
 昭和55年封切りというからもう34年も前に見た映画だが、今でも強烈に印象に残っているのが、少年の頃の喜一郎が初めて自動車というものを見るシーンだ、大隈重信が喜一郎の父豊田佐吉を訪ねた、佐吉の発明した自動織機を視察するためだ、家の前に停まったクルマを見る、その少年喜一郎のきらきらと輝いた目、その一点が今も脳裏に残っている。
 その場面のクルマはたぶんシボレーのオープンボディだったと記憶している、しかしこれは明治時代の話だからどうも私の記憶とは年代が合わないようだ。

 豊田佐吉が発明した自動織機が成功し、一人息子の喜一郎が豊田自動織機製作所の後を継ぐことになったが喜一郎は少年の頃に見て虜になった自動車を作りたいので、妹の夫利三郎に経営を任せ、自らは常務取締役技師長となって自動車の開発に専念する。
 そして金銭的経済的な問題、技術的な問題、部品調達、従業員の不満など、そのひとつ一つをクリヤーするためにひとつ一つのドラマが展開され、ついに豊田A型セダンを完成させるまでのサクセスストーリーなのだが、なまじ自動車のなんたるかを知っているものにとっても細部までリアルに描いてあって違和感なく、感動のラストにつながるすばらしい映画だと思った。

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 豊田喜一郎を演じたのが市川染五郎、現在の九代目松本幸四郎だ、私など歌舞伎にはあまり興味も無く、歌舞伎の誰々と言われてもわからないが、当時の染五郎は歌手でもありグループサウンズでも活躍して人気があったので、むしろそういうイメージと喜一郎の職人的情熱とのバランスがどうだろうの思ったものだ。
 そしてあのきらきらした目を持つ少年喜一郎を演じたのが、松本金太郎、現在の市川染五郎だ、私はむしろお父さんより現染五郎のほうが魅力的な役者と見るのだがどうだろう。
 先日舞台の事故で重傷を負い、ただいま療養中だが、どうか後遺症が残らず元気に回復されるよう祈りたい。

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 ところでこの映画もう一方の主役である豊田A型セダンだが、昭和11年4月AA型として量産モデルが発売されている、実際の豊田喜一郎がA1型を完成させたのは昭和10年5月とされているからほぼ1年で量産にこぎ着けたことになる。
 この間、資金調達のためAG型トラックを販売しているが、実はそれ以前に佐吉の自動織機のパテントを20億もの金額で売却していたとの話もある。

 さてAA型セダンは現在のクラウン程の大きさだが、全高は1736㎜もあるので室内は広く、まるでリムジンのようなしつらえである、A型エンジンは6気筒直列頭上弁式3389㏄65馬力最高速度100km/h程度ということだ、価格は昭和12年の定価表に標準箱形乗用車(スタンダードセダン)で3685円、同時に発売されたAB型幌型乗用車で3885円とある。今なら2千万近い金額ではなかろうか。

 昭和17年までに1404台が作られたが、当時はまだ故障も多く、その都度喜一郎自らが路上修理に奔走したという話もあるから、ビジネスとしては大成功とはいえなかったのではないかと思う。

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 クライスラー(デ・ソート)エア・フロー(一枚目の写真)にヒントを得たデザインと言われているが、日本で作られた自動車の中でこれほど風格のあるクルマは他に無いのではないだろうか、最近、御料車になっているセンチュリー・ロイヤルも確かに大きくて堂々としているが、このAA型の風格にはかなわない。
 初代セルシオはフロントグリル周りがAA型を彷彿とさせるようなイメージがあったが、それを思うと最近の迷いを極めたトヨタの高級車の意匠は実に残念でならない。(一言多いかな)

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 平成元年にトヨタ博物館がオープンした、このときの目玉となった展示車両が忠実に再現されたこのトヨダAA型セダンだ、設計図はしっかり残っていたと聞いた。
 この映画から9年たっているが、実はこの映画の撮影に使われたAA型もれっきとしたレプリカである、また映画に登場するシボレー・ロードスターやクライスラー・エアフローなど多くのクラシックカーも本物かレプリカかはわからないが、間違いなく豊田本社から提供されたものだろう、トヨタが博物館の開業を計画した上でこのような映画に協力したのか、この映画がきっかけになって博物館が出来たのか、私にはわからないが、実はトヨタの倉庫には博物館に展示してある車両以外にも膨大な数のクラシックカーが眠っているのではないだろうか、そんなことを考えてわくわくしながらこの映画を思い出した次第である。

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posted by 健太朗 at 22:16| Comment(2) | TrackBack(0) | トヨタの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご無沙汰しております。

当方この春に長野から関東圏へ引っ越し致しました。
漸く新しい環境に慣れてきましたが、通勤だけは慣れそうにありません。。

早速ですが最近話題になっているトヨタAA株式発行について「何でAAなんて名称なんだろう?」と疑問に思っていたらやはり生産型乗用車のAA型に由来するものでした。
機織りから自動車へと見事に舵取りした喜一郎のトヨタ。
そのお孫さんの章男さんの手腕にも期待したいです。

PS. 当方ブログですがプロバイダ(ぷらら)サービス終了により引っ越し致しました。

■第二章■ echo’s blog 
http://blog.goo.ne.jp/navigator_echo/
Posted by なび☆えこ at 2015年07月26日 21:55
健太朗です。
なび☆えこさん、コメントありがとうございます。
お久しぶりです。その節はお気遣いありがとうございました。
おかげさまでこんなに元気になりました、時々お立ち寄りください。
東京でお仕事ですか、めまぐるしくて大変ですね、お元気で頑張ってください。
echo’s blogもリニューアルおめでとうございます。
また、楽しませてもらいます。

私は株のことは良く分かりませんがA型やB型があるそうですね、そういえばトヨタの黎明期のクルマはA型B型C型などと始まったそうですね、A型エンジンのA型シャシでAA型、解り易くて縁起が良いいい名前ですね。
MiraiのAA型にも期待したいものです。
Posted by 健太朗 at 2015年07月27日 13:56
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