2011年08月15日

走るというより飛ぶ感じ・ファミリアロータリークーペ 2

 さて、ロータリーエンジンの高性能の秘密はどこにあるのか。

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 レシプロの4ストローク1サイクルガソリンエンジンはピストンが2回往復(4ストローク)するあいだに吸入、圧縮、爆発、排気の1サイクルを完了する(なぜかこれを4サイクルエンジンという)、従ってクランクシャフトが2回転(720度)する間の2分の1回転(180度)分しか動力を得られないわけで、4気筒の場合1回転するあいだに4つの気筒のうちどれか1つが爆発して動力を発生しているわけだ、だがロータリーエンジンの場合は1つのローターが1回転するあいだに3回爆発するわけで、ただレシプロのクランクシャフトに当たるエキセントリックシャフトはローターに対して3倍の回転をするようにしてあるので、EXシャフトが1回転で1回爆発することになる、ファミリアのエンジンは2ローターなので、つまりエンジンが1回転するあいだに2回爆発することになる、だから2倍の力が得られるという説がある。

 しかしこれには異論がある、そもそもロータリーエンジンはおむすび型ともいうが3角形のローターが回転するので燃焼室が3つあることになる、であれば2ローターでは6気筒と同じだ、なので4気筒と比べるのは適当でないという、だったらレシプロの6気筒エンジンはどうかというと2回転で3回爆発することになる。
 それなら6気筒エンジンはもっと性能が良くなければならないということになる。

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 内燃機関であるガソリンエンジンは燃料を爆発させることによって動力を得る、というのが当たり前だが基本だ、これはもちろんロータリーエンジンでも同じで、つまり理想的な比率のガソリンと空気(酸素)の混合ガスを出来るだけたくさん吸い込んで、これを充分に圧縮して大きな爆発力を出来るだけ短時間に得られると性能は良くなるわけだ、そのためには充分な排気も必要だ、キーワードは、吸入、圧縮、爆発、排気。


 だがしかし限界というものがあるし機械である以上機械ロスもある、一長一短はあるが、ピストンの往復運動を回転運動に換えるレシプロエンジンより、元々回転運動であるロータリーエンジンの方がその限界が高いところにあるのだ、その証拠にロータリーエンジンは性能が高い分、大食らいだったのだ。


 そのことがあのオイルショックを境にロータリーエンジンの悲劇が始まる原因だったのだ。
 最も最近では少ない燃料でいかに効率よく高性能を得るか、という技術がレシプロもロータリーも排ガスなどの公害対策に大いに役立っている。


 とすれば、私のような素人が言うのも何なのだが、東洋工業がコスモはともかくファミリアロータリーにはびっくりするほど高性能なエンジンではなく、セダンの4気筒エンジンより少しだけ高性能で経済的なコンパクトエンジンとして売り出していたならば、ロータリーエンジンの今、はずいぶん違ったものになっていたのかもしれないと思うのだが、どうでしょうね。

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posted by 健太朗 at 11:51| Comment(6) | TrackBack(0) | マツダの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
たまたまネットを徘徊中、見つけたのがこのサイトで、私はこれらに関する詳しい知識は全く持ち合わせていませんので、読み物として面白く読ませていただきました。
 ロータリーエンジンってコンパクトでパワフルな分、熱的にかなりシビアーなのでしょうか。


 いちおうサイトを貼っておきます → http://rotary119.com/
Posted by 43のおじさん (カクシカおじさん) at 2011年08月17日 02:01
健太朗です。
43のおじさん、ぃやさカクシカおじさん、毎度コメントありがとうございます。

石井ヒロユキさんの話、と宣伝、面白いですね、さすがにベテランのメカニックですから理路整然としています、見習いたいものですが私はへ理屈っほいかもしれませんね。
確かにREと熱の問題はムカシからささやかれています、泡の問題もおっしゃる通りです。

でもね、私は、開発初期ならともかく、メーカーにしてもそんなことは先刻承知の助で、ウォータージャケットの大きさやラジエターの容量、ホースやパイプの太さ、冷却液の量や質に至るまで、一般の使い方ならこれで大丈夫という線で設計しているのだと思うのです。

で、これをレースなどに使う場合は設計上のいわば想定外だと言わなければなりません。
少なくとも吸排気系を改造して吸入効率、排気効率を上げるということは想定より多くの燃料を炊くと言うことですから、温度は上がって当たり前なのです。
だからその分、何らかの対策をしてあげなければエンジンは悲鳴を上げてしまいます、そのためにはあのような装置は一つの良い方法なのだと思います。
たぶんターボチャージャー付きのエンジンなどはそれなりの対策が施してあると思うのです。

でも今、最新のRX-8を駆って長距離を走ったりちょつとぶっ飛ばしたとしても、そう簡単にオーバーヒートしたり壊れたりするものではありません。
その辺り、私はもっとメーカーを信じて良いと思います。
風邪薬を飲んだら副作用で胃が荒れるから胃薬も飲まなければならないのとよく似ていますよね。

レシプロのレーシングカーの場合はシリンダヘッド改造などもよくやっているそうですし、エンジンそのものを作ってしまうようなこともあるそうですが、REの場合は構造の違いとマツダなどの特許の関係でエンジンそのものの一部を換えてしまうようなことは出来ないのではないでしょうか。
この特許というものがロータリーエンジンの発展を阻む一つの足かせになっているのではないかと想像しますが、これはこまったものですね。

これに絡んで私には一つ疑問があります、排気量のことです
この次はこのことを書いてみます。
Posted by 健太朗 at 2011年08月18日 17:48
40年ちかく車と暮らしていますがロータリー車は未経験です。
開発途上にテストベンチ上で回して硬化を立てて倒れないほど振動がないという神話(事実?)に接し一度は所有してみたいと思いながら今だ果たせません。
今後チャンスがあるでしょうか?と言った感じです。

いずれ出張の折にでも駅レンタで味見してみようと思っています。

仕事でギヤポンプに接する事がありますが歯先(アペックス)とサイドのシールは発動機でなくてもけっこう問題があります。

2ストロークのエンジンではよく調教されていても紫煙を吐きますがロータリではほとんど気になりません。

ロータリーエンジンに関しては、技術開発とは不可能を可能にする魔術 のように私には感じられます。

ファミリアと言う車種については、私は最初にFWDになったモデルに一番好感を持ちます。

余談 まえにラジエタ-トラブルでいろいろアドバイス頂き有難うございました。

幸いこの猛暑の中平穏に走っています。
相変わらずクーラントと水は乗せて走っていますが。
Posted by なめネジ at 2011年08月18日 19:53
コメントありがとうございます。なるほどですね。

 ロータリーエンジンの発想は良かったと思うのですけど、もう10~20年もすれば車のエンジン自体、電車のモーターを小型化したものに置き換えられそうな感じですね。確かにロータリーエンジンの排気量のことも、税金の絡みもあっていろいろとあったようですね。
 でももう近い将来、エンジンは徐々にモーター取って替わられ、雪は不明だが熱にも強く場合によっては空冷でもいけるかもしれないです。

 ただ電気自動車も、電気の確保の仕方と暖房の問題はまだ残されたままですね。極寒の北海道(-20℃以下か)や、東北の月山や磐梯山付近でも、近畿地区では考えられないほど寒いようですので、こんなところで暖房が故障すれば、即死に直結するようなところでは、電気自動車など怖くて私は乗れません。

 以前鉄道関係の本で読みましたが、今は知らないのですけど、冬場に-50℃とかになるロシアのシベリア鉄道では、電化していても暖房だけは昔ながらの蒸気暖房だったようです。これならボイラーと燃料と配管と熱交換器があればまず故障しないので、死は防げますよね。
Posted by 43のおじさん at 2011年08月18日 22:52
健太朗です。
なめネジさん、コメントありがとうございます。

硬貨を立てて倒れないほど振動がないというのは確かに神話でしょうが、開発途上なら短時間そんなこともあったかもしれないと思わせるほど振動が少ないというのはたしかですね、でもロータリーエンジンだって振動があって当たり前なのです、ローターは軸を中心に廻っているのではなく、楕円形のハウジングの中を上下に行ったり来たりしていますし、その中の一部で爆発が起きるのですから振動しないわけはありません。
でも多気筒エンジンを除けばレシプロエンジンに比べると確かに振動は少ないです。

これも噂か神話でしょうが、昭和35年東洋工業とNSUが技術提携して、NSUから送られてきた試作ヴァンケルエンジンというのは激しい振動とおびただしい白煙をはいて、40時間でエンジンが停まったという話です。

話はそれますが、神話というなら昔、ロールスロイスの後席のテーブルに置いたワイングラスが100km/hで走行ってもこぼれないという噂がありました、私はロールスロイスに乗ったことはないのですが、これは絶対神話でしょう、と私は思います。
でも信じるほうが幸せでしょうか。

最近のロータリーエンジンにこんな装置が付いているかどうか確認していませんが、ファミリアロータリーの頃はエンジンオイルをほんの少しづつ燃料に混ぜていました、おそらく2サイクルエンジンと同じように混合油にしてアペックスシールを護ったいたのでしょう、そのせいかどうかロータリーエンジンは排気ガスの匂いが少し違っていたのを覚えています。
Posted by 健太朗 at 2011年08月19日 12:53
健太朗です。
43のおじさん、毎度ありがとうございます。

そりぁあ故障と言うことを考えれば、極寒の地で故障すれば命取りになりますし、シベリア鉄道のボイラーが故障しないという保証はありません。
アメリカ大陸では、立派な国道でエンジンが止まってしまったら何日も人が来ないというような地域がいくらもあるそうです。

機械の信頼性というものは一朝一夕に得られるものでもないと思います。
電気自動車はまだ始まったばかり、もう少し辛抱強く長い目で見て行きたいものです、ユーザーが拙速に批判を繰り返すとなるものもならなくなりそうで心配です。

1945年のたま電気自動車は役に立たないほど悪かったのではなく、朝鮮戦争によってバッテリーの価格が高騰したために続けられなかったのでそうです、ということはその当時のガソリンエンジンも同じような程度だったのではないでしょうか、私が知っているかぎりでは、性能はともかく、故障の心配をあまりしなくても長距離を走れるようになったのは昭和40年代も半ばになってから、という記憶があります。
ロータリーエンジンだってもちろんレシプロエンジンもけっこう長い時間をかけて発展してきたものです。

ま、人類の歴史の中で100年というのは、たった100年といえるかもしれません、そう考えると今のような自動車で、個人が、自由に、どこへでも行ける時代というのはそう長く続かないのかもしれませんね。
Posted by 健太朗 at 2011年08月20日 21:08
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