Car&Maintenanceと言う雑誌の今月号に、ロータリーエンジンを積んだ戦闘機の記事が載っていたが、マツダのヴァンケル型のようなエンジンではなく、星形7気筒のクランクシャフトを機体に固定して、プロペラと一緒にエンジン本体を回すというちょっと理解できない構造になっているらしい。
こちらの写真はマツダのロータリーエンジンの模型だ。
昨年末の大掃除で、工場の奥の棚に隠れていた。
このエンジン模型は、ファミリアロータリークーペが発売された折にマツダのディーラーからいただいたものだと記憶しているが、後ろのダイヤルを手回しするとおむすび型のローターが回転して、燃焼室の容量が変化し、吸入・圧縮・爆発・排気の様子が手に取るように?わかる仕組みになっている。
そしてローターの回転がときにきしくって、おむすびの頂点にあるアペックスシールがいかに難しいものだったかがよくわかる。(これは皮肉のつもり)
今更ながらマツダの技術者の苦心とその優秀さに感心するのである。
ロータリーエンジン車で印象に残っていることはいくつもあるが、なんと言っても強烈なのがカペラロータリーだろう。
マツダの営業マンが新車で使っているクルマを試乗させてもらったものだが、とにかく発進加速のすばらしかったこと、工場の前から次の交差点までのほんの20mほどで100km/hに達するほどで、その強烈な加速のために直進なのにリヤがふらついた。(危険なのでよい子のみんなはまねをしないように)
ところが数ヶ月後、積算距離が1万kmに達する頃、もう一度乗ってみるとまるで別物のように、走らないクルマになっていたのだ。
すでにアペックスシールがへたって、シリンダ壁が傷ついているという。
これが昭和45,6年の話だが、48年にわが社で販売したルーチェロータリーワゴンは、ふとん屋さんの仕事用で、3年あまりで10万km走行しても何の異常もなかったので皆で感心したり安心したりだった。