2008年08月23日

FFワンボックス、ヒノ・コンマース

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 恥ずかしながら、記憶というものは非常に曖昧なもので、ヒノ・コンマースについて少し書いてみたが、資料を探し出してみればいくつも間違っているところがあって、今回は非常に時間がかかってしまった。

 

 コンマースというクルマは、非常に遅くて大きいクルマだという印象があったが、現在のクルマに比べると思いのほか小さい。
 最新のライトエースバンくらいの大きさで、車両重量も同じくらいだ。


 だがこれをたった35馬力の900㏄エンジンで走らせるのだから大きく重く感じるはずだ、それで10人乗せて最高速度は90km/hというのはちょっと眉唾物だ。

  「父ちゃんのコンテッサ」で紹介した日野コンテンサのエンジン・ミッションをそのまま前に持ってきたのかと思っていたが、ちゃんと180度回転させてエンジンが前になるようにして前輪駆動を成立させていた、しかもコンテッサより先に発売されているというから話はややこしい、ここのところは深く追求しないでおく。

 

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 元祖ワンボックスワゴンでFFだからエンジンがどこにあるかというとダッシュボードの下、ちょうどコンソールボックスやヒーターがあるところだ、大きな荷物をむりやり積んでいるような感じだ。

 全席が二人だから3列シートの更に後ろに横向きの2座があった、4メートル足らずのクルマに4列シートだから当然貨物のスペースはないし相当窮屈だったろう。
 11人乗りのミニバスもあって、当時は普通免許で乗ることができた。

 

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(この下にエンジンがある)

 

 

 

 

 私の自動車屋で整備をしたのは横も後ろも窓ガラスが着いた普通のライトバンだったが、ちょっと乗りにくくていいかげんにクラッチをつなぐとすぐエンスト、これはレリーズにベアリングではなくカーボンを使っていたせいもあるが、コンテッサも同じだからやはりボディの重さとエンジンが非力なためだったろうと思う。

 

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 だがあの頃こんなに大きな室内スペースを持ったクルマはなく、まるでバスに乗っているような気分が魅力的だった。
 前輪駆動と横置きリーフスプリングのサスペンションによって床が非常に低く、また内張なども簡素だから無駄のない広さだったのだ。

 

 軽自動車をのぞいて前輪駆動のワンボックス貨物車は国産車ではいすずの特殊車両に例があるのみで、現在でもライトエースやボンゴのようにライトバンはFRになっている、貨物が重いと前輪が浮き上がって十分なトラクションが得られないからであろう、外国ではシトロエンのH(アッシュ)トラックが有名だ。

 そしてホンダのステップワゴン以降、ワゴン車はFFを採用することが多くなっているが、どちらも純粋なワンボックスカーではない。

 

 先進的で夢のあるクルマだったが、昭和35年8月から37年10月までに2,350台が生産されただけで、日野自動車の発展に寄与することはなかった。

 唯一のFFワンボックスが忘れ去られてゆくのは残念でならない。

posted by 健太朗 at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ヒノの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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