2008年07月14日

高速道路のコロナ

 18歳になってその日のうちに普通免許取得試験申請を出して、1ヶ月後には免許証を手にしていたので、利休色のコロナを手に入れたのは19の春ならぬ18の春と言うことになる。

 そしてその年、兄の結婚式があった。
 その披露宴の後、新郎新婦を伊丹空港まで送ってゆく役を仰せつかった。
 従兄を横に乗せ、後には新婚旅行姿の新郎新婦、新婦は決まったように白い帽子だ。


 ここは無茶をしてはいけないと80Km/h前後で走った。自分で取り付けたタコメーターはこのスピードでも約4000rpm近くを示していた。
 今の同クラスのクルマなら2千数百回転と云うところか。
 それでも当時としては静かな方だったが、私としてはなんだかうるさいなと感じていた。

 無事、新郎新婦が乗った727ボーイングを見送って帰り道のこと、従兄が運転するというので私は助手席に乗った。

 ところがこの従兄がけっこう乱暴なヤツで、120Km/hものスピードでがんがん走るのだ。


「この辺りが限界だ」

 いけしゃあしゃあと言ってのけるのだが私の方は気が気でない。
 はっきり言ってこの時代、いかに高速道路といってもこんなにスピードを出すクルマは、一部のスポーツカーか大型の外車だけだったろう。
 わが愛車は車体をぶるぶる震わせ、ハンドルを小刻みに揺すり、エンジンは悲鳴を上げていた。しかし私は冷静にタイヤの音を分析していた。

 実はこの数日前、友達を乗せて東山ドライブウェイ走行中カーブを曲がりきれず、路肩側溝に脱輪していたのだ。
 元々このクルマは過度のアンダーステアで、もちろんパワステなどない、おもすて、のハンドルはいかにも重く、更には560-13 4P(ゴロクのジュウサンヨンプライ)というバイヤスタイヤに今のラジアルタイヤにようなグリップ力があるはずもなく、40Km/hでもその傾向は現れた。

 ラジアルタイヤはまだなかったといい訳をしておく。

 

                     02brog 


 まぁ、すぐに脱出できたし車体に傷もないので、ちょっとしたミスさ、と放っておいたのだが。

 空港から帰ってタイヤを見て驚いた。左前輪のタイヤはつるっつる、全く溝のないスリックタイヤのようになっていた。
 最近換えた中古タイヤは5分山くらいあったはずなのに。

 タイロッドが曲がっていたのだ。タイロッドとはタイヤの操舵角度を操作する棒のようなパーツだ、つまりホイールアライメントが狂って、トーアウトの状態になっていたのだ。

 今ならステアリング装置は重要で、まずまずタイロットはアッセンブリで交換だ。
 しかし当時は修理をするのがあたりまえ、金床という鉄のかたまりの上に置いて大ハンマーで、とってんかんとやる。
 だいたいまっすぐになったら取り付けてトーイン調整をする。
これで完了だ。

 どうせタイロッドの先に付いているタイロットエンドというボールジョイントはじきにがたが出て交換しなくてはならなくなるのだから。




posted by 健太朗 at 21:48| Comment(0) | トヨタの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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