2007年11月10日

クラウンのテールランプ

 部品販売会社の倉庫というものは全くすごいものである。


 私たちが部品を買いに行くカウンターのその向こう側のことだ。
 あの広い倉庫の、あの高い天井に届くような無数の棚に、ぎっしりと、それこそ膨大な数と種類の自動車部品が、きっちり整理されて置かれている。そしてそれはコンピューターによって管理され、どんなに些細な部品でもネジ一本でも、またほとんど人の目に触れないような部品でも、迷わずに出庫できるようになっている。

 ロボットが入出庫をする倉庫もあると聞く。

 なんでこんなにたくさんの部品を在庫しなければならないの


 答えは簡単、つまりは顧客が待ってくれないからである。部品商や部品販売会社の顧客といえば私たち自動車屋やディーラーのメカニックであり、サービスマンである。
 私たちはユーザーから車を預かって、故障部位を確認し、交換部品を特定すると次はその部品を注文するという事になる。

 そうしたらなるべく早く部品が届かないとその車は工場に居座ってしまうし、その車のユーザーを待たせることになる。
 だからどんな部品も注文すると、ほとんどその日のうちに間に合うのである。それでもたまには注文した部品の在庫がないこともある。

 それでも二日も待てば届いてしまうのである。(例外はある)

 現在、国産車の種類は単純に愛称を並べても乗用車で150以上あるし、グレードや商業車を含めると無量大数である。
 そのすべての車種のほとんどの部品が工場にいながらにして手にはいるのである。日本全国どこでも、である。


 これは凄いことだと思いませんか。

 このシステムが、この部品販売会社が、この倉庫が、である。

 考えられないことかもしれないが、もしもこの日本で、自動車部品を注文したら少なくとも3日待たなければならない。ということが常識だったら、部品の価格はもっともっと安くなるのではなかろうか。つまりこのシステムにはかなりの経費がかかっていることは素人考えでも明らかなことだからである。

 事実、自動車部品の価格は決して安くない。

 昔むかし京都のあるディーラーで、部品を買っていちから車を組み立てたメカニックがいるという伝説がある、およそ新車の三倍の価格になったという、これには工賃は入っていない。

 あくまで伝説である。


 私自身オートバイ時代、事故でひん曲がったシャシを交換した折、おおざっぱに計算したみたことがある。数字は忘れたがものすごい金額になった、そんなことは出来ないと思ったものである。

 私の自動車屋のあるユーザーが出先のガレージでテールランプを傷つけられたという。
 ほんのわずかな傷なので「いいよいいよ」とばかり寛大で温厚な人柄を演じて引き上げてきた。しばらくするとその傷から雨水が進入し、レンズが曇り始めた。
 彼は自動車屋へ来て、「テールレンズを替えてくれ」とのたまうのである。

 しかしその車のテールランプはおよそ3万数千円もする代物であったのだ。


 このユーザーにしてみれば「赤いところだけ替えてくれればいい」ということになるのであるが、それは大むかしのテールレンズであって現在ではテールランプ、フラッシャランプ、バックランプが一体でユニットになっているのである。
 これはクラウンの話である(ただし最近のクラウンのテールランプは二分割になって少しは安くなっている)が、外国車の中にはテールランプアッセンブリが10万円もするものがあるというのだから驚きだ。

 わずかな傷であっても、誰が修理費用を払うのか、よくよく考えて寛大で温厚な人柄にならなければ。
 と思う次第である

posted by 健太朗 at 13:05| Comment(4) | TrackBack(0) | くるまの雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かに最近部品の価格が上がってきましたネェ〜それよりも、大衆車でサイドミラーをボデーと同色に塗ってあるやつがあります部品の倉庫には、販売している色の数だけストックがあるのと違いますか? おまけに左右別々ですから、×2です高級車ならまだしも、初めから『クロ』か『メッキ』にする方が部品在庫が少なくなるように思いますテールランプも、左右同じ物を設計出来ない物ですかネェ〜アルミホイルも、左右別々のデザインがあったと思いますこれは、設計者のプライドでしょうか?
Posted by ken at 2007年12月18日 08:46
そう言えば、ホンダN360のフェンダーミラーは確か左右同じものでしたね。テールランプも左右共通のものがあったと思います。それからルノーやダットサンの時代は汎用のフェンダーミラーを使っていました。ヘッドライトが汎用のシールドビームから専用デザインになったのは、昭和50年代中頃のスカイライン辺りからでしょうか、今では汎用部品はすっかりなくなりましたが、見えない部分ででももっと汎用部品を使ってくれると自動車屋も助かります。まぁ、デザイナーもお仕事ですから・・。
Posted by 健太朗 at 2007年12月19日 00:03
コペンのエアコンの吹き出し口ですが…マツダのロードスターに似ていませんか?他のメーカーの物を使用したら、汎用品でも解りにくいですネェ〜〜
Posted by ken at 2007年12月19日 22:18
確かに似ていますね。今のクルマは白物家電と同じようだ。といった人があるとか、これは言い得て妙。確かにどれも同じように見えるし同じような構造をしています。でも他社、他車の部品を流用しようとしてもほとんど合いません。例外は、オイルフィルターのような消耗品、タイヤやプラグといった規格品等です。初代ソアラが発売されたとき、カローラのルームランプがついていると話題になったことがあります。気軽に流用したのでしょうがこれが結構目立つんですよね、難しいもんです。
Posted by 健太朗 at 2007年12月20日 22:16
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