2007年08月18日

和尚さんの涼風

 先日、お盆の棚行に来てくださった和尚さんがこんな話をされた。

 「涼しい風と書いて「すずかぜ」とか「りょうふう」と読むのやが、昔はこういう言葉を聞いただけでなにかしら涼しく感じたもんどすな、マァ言葉が持つ風情というか情緒というか、木陰に入って葉っばの間からそよっと吹いてくる風がひんやりと涼しかったな。
 クーラーがない時代、冷蔵庫にアイスクリームが入ってるなんて夢どしたな。
 そやけど、今はお寺に来たら皆さん涼しいというてくれはるけど、そら方丈の玄関を入ったとこはちょっとぐらいひんやり感じるかもしれんけど、中はみんな障子を開けといても熱風が入ってきますな。
 そう云うたら夕涼みなんて今は誰ぁれもしやへんけど、ほら昔はかどに床机出してすててこ一丁でよう涼んでましたな。
 そやけど今あんなんやったら近所からクーラーの熱風が吹いてくるし車が通ったら中が涼しい分だけ外に熱ほかしとんやさかいたまらんわな、これは。いやはや世の中変わったもんやな。
 諸行無常やな。」

 この和尚さんは私と同じ団塊の世代だ。先代老僧からのお付き合いだが老僧はよく、
 盂蘭盆とは目蓮尊者の母上が餓鬼道に落ちて云々、
と、仏教の話をされたが今の和尚の話もまた若い人に聴いてほしい話だ。

 だがこの和尚のご子息もやはり僧侶の修行中とか、次の和尚はどんな話をされるのか長生きして聴きたいものだ。
 これも諸行無常やな。

 ちなみに、昔は庭に水棚という祭壇を祀った。これは家に上がって供養を受けられない精霊の為のものだ、この水棚を拝んで回ったことからこれを『棚行』と云うそうな

posted by 健太朗 at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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