2018年12月27日

日本の外車・ロードペーサー

 いすゞ・ステーツマン・デ・ビルの話をしてから色々忙しく久しぶりの投稿となりましたが、いすゞの話をしたらマツダの話もしたくなりました。

 昭和40年代後半、世紀という名のトヨタ・センチュリーも、大統領という名の日産・プレジデントも富裕層の間で一定の人気がありました、また、一般には販売されませんでしたが日産には合併したプリンスの連れ子のようなプリンス・ロイヤルという特殊なクルマもありました。

 しかし人気よりもこのようなフラッグシップモデルがメーカーのイメージアップにつながっていることは間違いなく、当時の自動車メーカー、横綱・大関以外のメーカーもこのようなクルマを欲しがったとしてもおかしくないようです。

 そこでいすゞは提携先のゼネラルモーター(GM)の子会社、オーストラリアのホールデンからステーツマンを輸入していすゞ車として販売しました、そして三菱はミツビシ・クライスラーシリ-ズとしてセダンのヴァリアントとチャージャーを輸入販売しました。という話が前回のお話です。

ホールデンHJプレミア01.jpg
ホールデンHJプレミア

ロードペーサー01.jpg
マツダ・ロードペーサー

 マツダは当時まだ外国メーカーとの提携関係がなかったので、GMオーストラリア・ホールデンから部品の購入契約という形でホールデン・プレミアというクルマのボディ・シャシなどを輸入し、13Bロータリーエンジンを搭載、マツダ・ロ-ドペーサー(道路の王様)として販売しました、ですから「・・として」といってもノックダウンのようになりますから登録上はれっきとした国産車マツダで、それは日野ルノーやいすゞヒルマン、そして日産オースチンなどと同じ扱いなのです。

ロードペーサー04.jpg

 ただ違うのは、ルノーやヒルマンは国産車の黎明期の話で外国の技術を学んで国産車を発展させるためのものですが、ステーツマンやロードペーサーはこのクラスの商品を開発するまでの間に合わせのようなものだったのでしょう。

 そういえば平成8年ですが、トヨタにもキャバリエというクルマがありました、こちらは日米貿易摩擦に対応したもので、GMのシボレー・キャバリエを輸入してトヨタ車として販売しました、しかし時代も違いますがさすがにトヨタはアメリカ車を右ハンドルにし、日本のユーザーに違和感を持たせないさまざまな改良を加えて「トヨタ車」に仕立て上げ、多国籍車としては珍しく4年余で4万台近く販売しました。

 横道にそれましたが、マツダ・ロードペーサーは世界で初めて量産に成功した、ヴァンケル・ロータリーエンジンを搭載するという意欲的なクルマだったのですが、昭和50年から54年までの5年間で800台程度しか生産されなかったそうです。

ロードペーサー03.jpg

 ちなみにステーツマンとプレミアは共にホールデンの高級車でほぼ同じシャシの姉妹車です。

 私はこのロードペーサーには乗ったことはありませんが、本来V8・5047cc240馬力のエンジンが載るホールデン・プレミアの重い車体を走らせるために低速トルクが弱い13Bロータリーエンジンは如何にも力不足であることは想像できます、なにしろルーチェより300kgは重い約1.5tもあるのに130馬力のエンジンですから、ギヤ比を落として回転で稼ぐというやり方は味付けが違って、日本人が求める高級車像には合わなかったのではないでしょうか。

 ただ、この時代はロータリーエンジンにとって否、REのみならず、どのメーカーもマスキー法に端を発した排気ガス浄化対策に苦慮した時代でした。

 マツダはREにはサーマルリアクターという排気ガス再燃焼装置を採用しました、私もルーチェロータリーなどで体験しましたがマフラーが大変熱くなるという欠点がありました、しかしエンジンには大きな悪影響を与えないで50年排ガス規制をクリアしました、ただしREにはEGR(排ガス再循環装置)は必要ないということでしたがロ-ドペーサーにはこれを採用して51年規制をクリアしました。

ロードペーサー02.jpg

 このように苦労を重ねたた技術が、現在のスカイアクティブにつながっているんだと思えばなんだか嬉しくなりますね。

 歴史にもしもはありませんが、排気ガス規制や石油ショックがなければロータリーエンジンは正常進化し、もっと早く真のフラッグシップにふさわしい、マツダに高級車が誕生していたのではないかと思います。

ロードペーサー06.jpg

 それから約15年経って平成時代のセンティアはV6 3000cc、4代目ユーノス・コスモは3ローター+ターボエンジンをを積んで、大きさ、重量、出力、トルクと、正にフラッグシップにふさわしいモデルになっています。

ロードペーサー05.jpg

posted by 健太朗 at 20:34| 京都 ☁| Comment(0) | マツダの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする