希少車・パイザー

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  パイザーというクルマをご存じでしょうか、中国語の通行許可証(牌子)をもじった名前です。

 ダイハツで平成8年から6年で4万台余り生産されたクルマです。

 世間では目立つことがなかった希少車です、希少車ですが珍しくもなんともなく、要は単なるライトバン型小型乗用車です。

 でも私はとってもよく出来たワゴンだと思うのです。
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 私の自動車屋でパイザーを買って頂いたのは平成9年頃、電子機器の接点などを造る下請けの町工場を営む親父さんで、それまで10数年乗ってられたファミリアバンからの乗り換えでした、小型車が年々大型化し、ファミリアバンも新車を買うと町工場の片隅のガレージには入りません、普段使いには小さな乗用車でいいのです、でも工場で出来上がった小さな製品を木箱に入れて納品すると言うミッションがあります、ライトバンのように。
 それで積み荷や使用環境のことも考えに入れてこのクルマになったというわけです。
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 パイザーは4代目シャレードの車台を基にして小さくても背の高い使いやすいハッチバック乗用車を目指して開発されたクルマで、ダイハツとしてはコンパーノの昭和44年以来27年ぶりの小型ワゴンでした。
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 車室内は全長4mあまりの車体にしては広く着座位置も高めでしたので運転しやすいクルマでした、当時まだトールワゴンというジャンルはなく、全長が1cm高くなると全長が3cm伸びるのに等しいなどと言われた時代でしたので、時代に合った新鮮なものでした。
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 また、この頃の大衆車には珍しいフルオートエアコンとマルチパネル、キーレスエントリー他、木目調パネル、本皮シートなどが装備されていたり、ABSやデュアルエアバッグなども先進のものでした。


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 まぁ装備に関してはトヨタのアンテナショップ的な面はありましたが、ダイハツのマイナー車にしては月1000台余りと出足好調でした、しかしダイハツはトラックと軽自動車メーカーのイメージから抜けきれなかったこともあって、ライバルのデミオ、シビックシャトル、さらにはラウムなどには及ばず、前述のように6年で46,448台と不本意な結果に終わったのです。

 しかし、その後のYRVより遙かにたくさん売れています。


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 エンジンはシャレードと同じHE-EG型1498cc100馬力とHD-EP型1589cc115馬力、どちらも直列4気筒SOHC16バルブでトランスミッションは5速MTと4速AT、これにFFとフルタイム4駆の組み合わせがありました。

 私の自動車屋の古くからのお客様であるおやじさんはもうこの頃には珍しかった、1500のMTでした、前輪駆動のMTはクラッチミートが唐突で合わせにくいイメージがありますが、パイザーのそれはさすがにトラックメーカーだと思うくらいスムーズで高齢のおやじさんにも乗りやすい車でした。


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 最後にもう一つ、私のお気に入りはラゲッジルームクッションとセンタークッションです、これは荷物室の床板をくるっと回すように開けると現れる前者と後席足下に設置する後者によって出来る1.7mの平らなベッドルームです、ちなみに私も1.7mです。


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 若い頃、友達と夜っぴきで走行って明け方仮眠をとって旅行を続けると言うようなことを幾度か経験しましたので、このスペースは青春時代を思い出して魅力的に写りました、でも実際にはここで寝ると言うことは現実的でないようで、パイザー以降このようなシートアレンジが出来るクルマはお目にかかれません、私が乗ったラウムなどは初代・二代共、名前はラウム(ドイツ語でルーム)なのにパイザーのような広いスペースはありませんでした。