2016年06月18日

特別な小公子・セドリックスペシャル

 小公子の物語りは、確か小学生の頃に読んだと思いますが、詳しくは覚えていません、ただ、主人公のセドリックという少年が、実は伯爵の跡取りでかわいらしく気品のある少年だったという印象が、後に発売されたニッサン・セドリックの名前と伯爵という言葉が重なって豪勢な印象だったと言う記憶があります。


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 さて、ニッサン・セドリックはそれまで日産がイギリスのブリティッシュモーターと技術提携してノックダウン生産していた、オースチンA50ケンブリッジの後継車として昭和35年、日産の独自設計で創った中型高級乗用車です。


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 オースチンから受け継いだのはトランスミッションだけだと言われていますが、日産がオースチン1H型を改良して開発したG型1500ccエンジンは1H型とそっくりに見えました、実はこの後サニーやチェリーの時代までこのそっくりさんは使われていました、もちろん独自に改良が重ねられたことはいうまでもありませんし、本家のBMCより高性能且つ使いやすいエンジンになったと言われています。

 初代セドリックの特徴はなんと言っても縦並びの4灯ヘッドライトと側面に回り込んだラップラウンドというフロントガラス、それにテールフィン風のリヤフェンダーに付いた縦型のテールランプですね、ヘッドライトは後の3代目プリンス・グロリアと皇室用プリンス・ロイヤルに採用されています、また2代目トヨタコロナにはラップラウンドガラスや縦型テールランプが採用されましたがずいぶんイメージが違います。


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 またボディは当時の国産車にはまだ少なかったモノコック構造になっています、でもサスペンションはダブルウィッシュボーンとリジットリーフで、ブレーキも当たり前のツーリーディングとリーディングトレーニング、ステアリングギアはウォーム・ローラーでした。


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 私が運転免許を取った昭和42年頃、「クラウンは3回転、セドは4回転半」などと揶揄されたものです、これはステアリングホイールのロック・ツー・ロックの回転数を言ったもので、セドリックのハンドルは軽いけど忙しいと言う意味でした、それで私は免許の実技試験にクラウンを選んだ、と言うわけですが、その後に何度も乗る機会があるようになると、この軽いハンドルがいかにも乗りやすくてちょっと後悔したものでした。


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 ちなみに私の運転免許実技試験の成績ですが、98点、当時は誰でもとれる点数ですが、加速時に軽くノッキング音が出ると1点減点でした、それで2点減点されたのですが、後でわかったことですがあのノッキング音はクラウンをはじめトヨタ車のウイークポイントで、セドリックではそう簡単にノッキング音は出なかったのです、ちょっと悔しい思いをしたことを覚えています。


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 昭和37年にはマイナーチェンジして横並び4灯になりました、フロントグリルを含む新しいデザインはセドリックをより大きくどっしりと貫禄あるクルマに換えましたが、実は寸法も少しだけ大きくなったのです。


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 昭和35年、道路運送車両法が改正され、小型車の寸法がそれまでは長さ:4.3m以下、幅:1.6m以下だったのが、長さ:4.7m以下、幅1.7m以下にまたエンジンも1500ccから2000ccに変更されました、セドリックもそれに合わせて大きくなったのです。


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 年が明けるとセドリックスペシャルが発売されました、これはスカイラインGTのようにホイールベースを205 mm伸ばして、K型6気筒2,800 ccのエンジンを積んだ、3ナンバー普通乗用車であって、前後パワーシート、パワーウインドー、それにボルグワーナー製のATなど、日本車として初めての快適装備を採用した当時の国産最高級乗用車といえるものでした。


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 セドリック スペシャルはたった2年8か月という短い生涯でプレジデントにバトンタッチしましたが、対抗車種クラウンエイトの発売より1年以上も早くモデルチェンジに至った当時の日産の勢いを感じると共に、その後の国産高級車の礎となったセドリック スペシャルの先見性が感じられます。
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 私の自動車屋でもセドリックは人気があって、バンやワゴンも含めてよく売れたクルマでした、セドリックスペシャルも1台納車しましたが、4気筒高級車とはひと味違った滑らかなフィーリングが魅力で、引き取りや納車のときに乗るのが楽しみな1台でした。


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 ちなみにセドリック・エステートワゴンの3列目のシートは後ろ向きの二人掛け、アメリカ製フルサイズ・ステーションワゴンの真似ですが、日本の5ナンバーサイズでは補助席のような役割でした。なにしろ本来はカーゴ・スペースである場所にシートがあるのですから、荷物はほとんど乗せられませんでした、でも今のクルマと違ってベンチシートには余裕がありますから手荷物くらいでしたら、充分でした。


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 またまた因みに、エステートワゴンというのは、アメリカではステーションワゴン、英国ではエステートワゴンと言ったそうです、エステートは王室や貴族の所有地や資産のことをさします、また、ステーションワゴンは駅馬車ではなく、駅を拠点にした送迎車のことです。

posted by 健太朗 at 14:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ニッサンの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする