2013年03月23日

軽快なサニー

  ダットサンサニーB10の新車発表は、昭和41年2月19日、千駄ヶ谷都立体育館においてであった、これは応募800万通という新型車名公募キャンペーンの車名発表も同時に行われた。このとき85才になったばかりの日産自動車の創業者、鮎川義介も立ち会っていたというからニッサンの力の入れようがわかるというもの。

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 話はさかのぼって昭和35年、ダットサンセダン210に変わって1000㏄で発売されたダットサンブルーバード310は、ライバルトヨタのコロナST10を押さえてベストセラーになった。
 この話は「BC戦争のB・ブルーバード」に書いているが、コロナがRT20、40と変わっていったようにブルーバードも310,410と大きくなっていって、1000㏄クラスが空席になっていた、ところがトヨタにはパブリカ800があり、確固たる地位を固めていた。

 そこでニッサンがパブリカに対抗するために出した駒がダットサンサニーというわけだ。
 前席をセパレートシートとした軽快なサニーがこれまたベストセラーになったのは言うまでもない。

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 余談だが当時の川又克二日産自動車社長は、このクラスの必要性を否定していたという、安いクルマが欲しいひとはブルーバードの中古車を買えばいい、というくらいの考えだったそうだ。もちろんのちにはあの時サニーを出しておいて良かったとおっしゃったとか。
 余談ついでに川俣克二社長と言えば、ヘリコプターから高速道路や一級国道を見て、まだ道路に余裕があるからもっと車を売れ、とおっしゃったと当時の新聞か何かで読んだ記憶がある。

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 全長3800,全幅1445というから現在のニッサンモコより504㎜長く、30㎜狭い、そして全高は300㎜も低く重量に至っては150㎏も軽い、エンジンは1000㏄56馬力6000回転、トルク7.7kgm3600回転、馬力はモコとほぼ同じ、トルクは1.3kgmも多くモコの4000回転より低い回転で発揮する。
 モコに3速MTはないから比較出来ないのが残念だが、現在の人気軽乗用車より軽快で乗りやすく、そして力強い乗り味だと言うことがこれらの数字からでもわかると思う。
 事実、私の記憶をたどる限り、ブルーバードと同じくかちかちと決まる3速コラムシフトを操作して軽快に走るサニーの乗り味は当時の同クラスのクルマと比べても軽快できびきびしていた。

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 フロントサスペンションの横置きリーフは、ちょっと堅めでスタビライザーがない分、左右の独立感があって、それが更に軽快な印象を強くしていた。
 この時代の国産車は総じてふわふわとした乗り味であって、きびきびした乗り味の、例えばコンテッサのようなクルマは異端児とされた、空冷700㏄のパブリカでさえこつこつきびきびといった乗り味ではなかった。
 そんな中でニッサンがこのような軽快な乗り味の車を作ったことによって、かどうかわからないが、(ホンダの影響もあるかな)この頃から国産車の乗り味が変わってきたような気がする。 

posted by 健太朗 at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ニッサンの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする